演 題 新型コロナウイルス感染症の中小企業への影響
日 時 2020年8月5日(水) 午後1時~2時
講 師 中小企業基盤整備機構理事長 豊永 厚志 氏
神奈川政経懇話会は5日、8月の定例講演会をユーチューブによるライブ配信で実施した。中小企業基盤整備機構の豊永厚志理事長が「新型コロナ禍を越える 中小企業は何をすべきか」と題して講演。「感染症リスクが加わった不確実な時代には変革力と開発力を養うべきだ」と話した。
コロナ禍が直撃した全国の景気について、豊永氏は「4─6月期の景況感は全産業でマイナス64・1。8割の経営者が深刻に受け止めている」とし、訪日外国人の激減や外出自粛などで「特に宿泊・飲食、小売りへの影響が大きい」と危機感を示した。
また、「株価や金利など現状の金融システムに大きな影響はない」と前置きし、「コロナ禍では、ヒトが動かずモノが作れない(実体経済)という不安が資金ショート(金融不安)につながっている。リーマンショックとは逆の流れ」と特徴を挙げた。
個々の企業には事業環境の変化に即応できる経営を期待し、「アンテナを高くし、時代を先取りした取り組みをひるまず実行する勇気、備えが必要」と、中小企業にエールを送った。
ライブ配信は道新十勝政経文化懇話会、二水会(西日本新聞社東京支社)、共同通信社きさらぎ会と共催で、東京都港区の共同通信社本社で撮影した。
とよなが・あつし 1956年鹿児島県出身。東京大学法学部卒。1981年4月通商産業省(当時)入省。2010年7月中小企業庁次長、11年8月経済産業省大臣官房商務流通審議官、12年9月同大臣官房商務流通保安審議官、13年6月日本政策金融公庫代表取締役専務取締役・中小企業事業本部長、15年7月中小企業庁長官、16年6月退官。16年11月みずほ銀行顧問、19年3月退職。同4月独立行政法人中小企業基盤整備機構理事長。