演 題:世界の見方と米国大統領選
日 時:2020年10月12日(月)午後1時~2時
講 師:日米協会会長 元駐米大使 藤崎 一郎 氏
神奈川政経懇話会は12日、10月の定例講演会をユーチューブによるライブ配信で実施した。日米協会会長で元駐米大使の藤崎一郎氏が「世界の見方と米国大統領選」と題して講演。「選挙戦はバイデン前副大統領が優位。第1回の討論会の前も後も、トランプ大統領の新型コロナ感染の前も後も、支持率にあまり変化はない」と分析した。
世論調査ではバイデン氏がトランプ氏をリードする。藤崎氏は「トランプ氏、バイデン氏ともに支持基盤は4割ある。残り2割の中間層を取り合っている。それがどう動くかだ」とした。一方で、英エコノミスト誌の報道を取り上げ、「1952年以降の大統領選で2カ月前の世論調査のリードが総得票数でひっくり返った例はない」と話した。
ただ、前回2016年の大統領選で総得票数で上回りながら、(当選者を決定する)大統領選挙人の獲得数が下回ったためトランプ氏に敗れたクリントン氏に触れ、「バイデン氏勝利が固いとまでは言えない。現時点で差は大きいが、これからの動き次第だ」という見方を示した。
同時に実施される上院議員選については「最新の世論調査では民主党の勝利」とした。
本講演会は共同通信きさらぎ会と共催で、東京都港区の共同通信社で撮影、配信した。
ふじさき・いちろう 1947年神奈川県生まれ。69年外務省入省。アジア局参事官、在米大使館公使、北米局長、外務審議官を経て、2005年在ジュネーブ国際機関日本政府代表部特命全権大使、08年駐米特命全権大使。12年11月退官。現在、一般社団法人日米協会会長、上智大学国際関係研究所代表、慶応義塾大学特別招聘教授、筑波大学客員教授などを務める。
米大統領選 11月3日に投開票される。新型コロナウイルスの感染拡大や黒人差別問題など混とんとした情勢の中、共和党候補のトランプ大統領(74)と、民主党候補のバイデン前副大統領(77)の攻防が続く。各種世論調査ではバイデン氏が優位とされる。