2022年4月の定例講演会/家族で目指した甲子園~渡邊家の娘に生まれて/元横浜高校野球部寮母 管理栄養士/渡邊 元美 氏

講 師 元横浜高校野球部寮母 管理栄養士  渡邊 元美 氏

演 題 「家族で目指した甲子園~渡邊家の娘に生まれて」

日 時 2022年4月25日(月)午後1時30分~3時

会 場 ロイヤルホールヨコハマ 5F「リビエラ」


家族語る名将の情熱/元横浜高校野球部寮母 渡邊元美氏が講演

 神奈川政経懇話会は25日、4月定例講演会を横浜市中区のロイヤルホールヨコハマで開催した。元横浜高校野球部寮母の渡邊元美氏が、「家族で目指した甲子園~渡辺家の娘に生まれて」と題して講演。同校野球部を5度の全国優勝に導き黄金時代を築いた元監督で父親の渡邊元智氏の情熱と信念について、寮母として22年間支えた家族の視点から語った。
 「すべては強い野球部をつくるため」と寮ができても常に選手を自宅に住まわせた元智氏は、「育ち盛りの選手に栄養のあるものを食べさせるため、母の貯金を取り崩した」。元美氏は、かつてあった「24時間戦えますか」というテレビCMを引き合いに、「24時間360日、学校でも家でも常に監督の顔をしていた」と振り返る。
 松坂大輔投手、筒香嘉智選手、涌井秀章投手ら多くの選手を育てた元智氏。靴の脱ぎ方など生活指導も厳しかったといい、「選手である前に高校生として、無事に卒業できるよう指導していた」と教育者としての顔も紹介した。
 あらゆる戦況に対応策を講じて全国制覇してきた“名将”は、引退後も変わらないものがあるという。「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)は言うに及ばず、ありとあらゆる場面を想定して、万が一に備えさせる」と元美氏。車で出かける時は「渋滞にはまってもいいように、飲み物、あめ、簡易トイレは持ったか」などと声をかけられるとし、「危機管理能力は人一倍強い」と語った。

 

わたなべ・もとみ 甲子園出場の常連である横浜高校野球部の寮母を22年間にわたって務めた。父親は同野球部元監督の渡邊元智氏。日本一を目指して多くの選手をまとめあげた名伯楽である父親と家族の姿を「リーダー像の参考になれば」と紹介する。
松坂大輔投手、筒香嘉智選手、涌井秀章投手ら多くの選手を食事の面から育て上げた経験を生かし、現在、栄養指導と捕食サービスを行う会社「YTライズ」の代表取締役。テレビ出演をはじめ、大リーガーの筒香選手のキャンプに帯同を求められるなど活躍中。長男はプロ野球楽天の渡邊佳明選手。著書に「甲子園、連れて行きます! 横浜高校野球部 食堂物語」(徳間書店)。