~シンポジウム「2023年の動向を読む」~
共同通信社3部長語る
開催日 | 2022年12月9日(金) |
会場 | ロイヤルホールヨコハマ |
シンポジウム | 午前11時~午後0時30分 3階「セレナーデ」 |
交流会 | 午後 0時40分~1時40分 3階「シンフォニー」 |
神奈川政経懇話会は9日、横浜市中区のロイヤルホールヨコハマで「2023年の動向を読む」と題してシンポジウム(12月定例講演会)を開催した。パネリストとして共同通信社の杉田雄心政治部長、春木和弘経済部長、有田司外信部長が登壇。神奈川新聞社の鈴木達也論説主幹がコーディネーターを務め、苦境が続く岸田政権、長期化が懸念されるウクライナ侵攻、円安、物価高の影響を受ける国内経済などの今後について解説した=写真。
杉田氏は、「岸田政権は支持率30%台と崖っぷちにいる。年内に旧統一教会の被害者救済法を成立させ、国家安全保障戦略など安保関連3文書を改定し、来年は仕切り直したいとの意向だ」と分析。「5月の広島サミット後に総選挙との声も聞かれるが、統一地方選後は地方議員が疲弊していてやりづらいのでは」との見方を示した。
春木氏は、「22年は円安、物価高と数十年ぶりのニュースが相次いだ。23年は円安は落ち着くが、欧米の景気後退リスクが出てくる。国内企業は、仕入れコストを製品価格に転嫁しきれておらず、物価高は続く」と説明。4月の日銀総裁の交代で、「異次元緩和」からの政策修正の手腕に期待しているという。
有田氏は、ウクライナ侵攻について「厳しい冬が始まり、ロシアはインフラを攻撃して電力不足による厭戦(えんせん)気分を高めようとしている。こうした軍事的圧力を続けながら、部隊を立て直している」と解説。核使用の可能性は「米軍に関与させたくないため、低い」との見方を示した。一方、北朝鮮のミサイル実験は、23年も続くと見通した。
【シンポジウム講師】
◆パネリスト
共同通信社編集局政治部長
杉田 雄心 (すぎた・ゆうしん) 氏
1992年共同通信社入社、和歌山支局、神戸支局、大阪社会部を経て2002年政治部。09年ワシントン支局、19年参院選班長、21年編集局ニュースセンター整理部長、22年9月から現職。1969年生まれ、東京都出身。
春木 和弘 (はるき・かずひろ) 氏
1997年共同通信社入社。2000年本社経済部、11~15年ワシントン支局で経済担当後、本社経済部デスク、経済部副部長などを務めた後、ニュースセンター整理部長、メディアセンターデジタル編成部長。22年9月に現職。1968年生まれ、群馬県出身。
有田 司 (ありた・つかさ) 氏
1992年共同通信社入社。ロシア・サンクトペテルブルク大留学などを経て2000年モスクワ支局。アフガニスタン戦争、イラク戦争を取材。11年ワシントン支局次長、18年ニュースセンター整理部長などを経て、21年2月から現職。1968年生まれ、新潟県出身。
◆コーディネーター
鈴木 達也 (すずき・たつや) 氏
1990年神奈川新聞社入社。本社編集局報道部、経済部、川崎支局、鎌倉支局、横須賀支社などを経て2014年に編集局報道部長、18年編成部長。19年から現職。1966年生まれ、横浜市出身。