2023年6月の定例講演会/地域中核・特色ある研究大学を目指して~横浜市立大学の現在と未来/横浜市立大学学長/相原  道子  氏

「地域中核・特色ある研究大学を目指して~横浜市立大学の現在と未来」

日 時 2023年6月29日(木)午後1時30分~3時

会 場 パーティー会場メルヴェーユ (県民共済プラザビル6階「ヴァランセ」)

講 師 横浜市立大学学長 相原  道子  氏


 創立100周年を5年後に控えた横浜市立大学の相原道子学長は29日、同市中区の会議場メルヴェーユで講演(神奈川政経懇話会主催)した。健康で多様な幸せの実現に向け「ヘルスウェルビーイングの拠点」を目指すとし、協力や支援を呼びかけた。
 講演のタイトルは「横浜市立大学の現在と未来~地域中核・特色ある研究大学を目指して」。同大の使命は「横浜と共に歩み。教育・研究・医療分野をリードする」ことと強調し、被引用論文の報告数や産業界との連携で国際的にも高評価を得ていると説明した。
 卵巣がんの中でも抗がん剤が効きにくいといわれる卵巣明細胞がんの適切な診断を可能にするマーカーの開発、植物ゲノム(遺伝子情報)科学で世界をリードする木原生物学研究所の実績などを紹介。これらの研究力を生かして「ヘルスウェルビーイングで大型の産学官連携を推進する」とし、引き続き若者の生きづらさを解消する拠点づくりや産学官共創のインキュベーション(起業家や企業の支援・育成)施設の整備などに取り組む考えを示した。
 新型コロナウイルス禍などで市民の健康と命を支える「最後のとりで」となっている付属2病院の再整備にも言及。現状は老朽化や災害時の脆弱(ぜいじゃく)性、構造面などで課題があるとし、市と共に米軍根岸住宅地区跡地(中・南・磯子区)を有力候補に統合再整備を検討している現状も報告した。

 

あいはら・みちこ 医学博士。専門は皮膚科学・アレルギー学。1980年横浜市立大学医学部卒。西ドイツMax-Plank研究所、米国Stanford University Medical Center、横浜市立大学附属病院、同大学附属市民総合医療センターなどを経て、2008年同大附属病院皮膚科教授。11年同大医学部教授、16年同大附属病院長、20年4月から現職。公立大学法人副理事長。文部科学省中央教育審議会臨時委員、同科学技術・学術審議会臨時委員。