~シンポジウム「2024年の動向を読む」~
政権に4、6、9月節目
開催日 | 2023年12月15日(金) |
会場 | 崎陽軒本店(横浜駅東口から徒歩) |
シンポジウム | 午前11時~午後0時30分 4階「ダイナスティー(イースト・センター)」 |
交流会 | 午後 0時30分~1時30分 4階「ダイナスティー(ウエスト)」 |
神奈川政経懇話会は15日、横浜市西区の崎陽軒本店で「2024年の動向を読む」と題してシンポジウム(12月定例講演会)を開催した。パネリストとして共同通信社の杉田雄心政治部長、春木和弘経済部長、渕野新一外信部長が登壇。神奈川新聞社の鈴木達也論説主幹がコーディネーターを務め、政治資金パーティー裏金問題で揺れる岸田政権は「4、6、9月が節目になる」などと各分野の見通しを解説した。
杉田政治部長は「解散風が逆風になり、今は(裏金問題で)ブリザードが吹き荒れている」と今年の政権を総括。「家宅捜索や安倍派5人組の任意聴取が始まるが、議員側からは説明できず、そのたびに『何をやっているんだ』と言われるようになる」。24年は9月の自民党総裁選に向け、物価高を超える賃上げの可否などが問われる4月、国会会期末と減税効果が確認される6月が「政権のポイントになる」とした。
「米国景気が世界経済を下支えし、日本経済は割と良かった」と振り返ったのは春木経済部長。「企業の業績は好調で、24年春まではいいかもしれない。日銀が政策修正に踏み切り、金利が上がれば住宅ローンなどに影響し景気にはマイナス」と続けた。さらに「デフレ脱却には、物価高を越える賃金上昇が必要だが、中小企業はなかなか価格転嫁できない。大手企業が4%より大きな賃上げをすれば、経済の自立的な成長につながる」と期待した。
渕野外信部長は「今年は国際社会の分断が一層進んだ年」とまとめた。「来年は選挙イヤー」とし、1月の台湾総統選、3月のロシア大統領選、11月の米大統領選などを挙げた。「プーチン氏は過去最高の得票で5選を果たし、ウクライナ侵攻を正当化したい。米国でトランプ前大統領が勝てば、ウクライナの支援をやめるだろう」とし、結果が国際情勢を大きく変えると指摘した。
【シンポジウム講師】
◆パネリスト
共同通信社編集局政治部長
杉田 雄心 (すぎた・ゆうしん) 氏
1992年共同通信社入社、和歌山支局、神戸支局、大阪社会部を経て2002年政治部。09年ワシントン支局、19年参院選班長、21年編集局ニュースセンター整理部長、22年9月から現職。1969年生まれ、東京都出身。
春木 和弘 (はるき・かずひろ) 氏
1997年共同通信社入社。2000年本社経済部、11~15年ワシントン支局で経済担当後、本社経済部デスク、経済部副部長などを務めた後、ニュースセンター整理部長、メディアセンターデジタル編成部長。22年9月に現職。1968年生まれ、群馬県出身。
渕 野 新 一 (ふちの・しんいち) 氏
1993年共同通信社入社。福島、鹿児島、那覇支局を経て2002年に外信部。ナイロビ支局長、ジャカルタ支局長、原子力報道室デスク、ワシントン支局デスク、副部長を歴任し、22年整理部長。23年6月から現職。1969年生まれ、山口県出身。
◆コーディネーター
鈴木 達也 (すずき・たつや) 氏
1990年神奈川新聞社入社。本社編集局報道部、経済部、川崎支局、鎌倉支局、横須賀支社などを経て2014年に編集局報道部長、18年編成部長。19年から現職。1966年生まれ、横浜市出身。