2024年6月の定例講演会/世界を魅了する都市・横浜を皆様と創りあげる/横浜市長/山中 竹春 氏

世界を魅了する都市・横浜を皆様と創りあげる

開催日 2024年6月6日(木)午後1時30分~3時00分
会 場 ロイヤルホールヨコハマ4F「エリゼ」
講 師 横浜市長  山中竹春 

 横浜市の山中竹春市長は6日、同市中区で開かれた神奈川政経懇話会の6月定例会で、注力している子育て支援策や脱炭素の取り組みをテーマに講演した。市の施策が子育て世代に「好意的に受け止められている」との認識を示し、「市民の幸せを第一に市政を運営しているので、冥利(みょうり)に尽きる」と手応えを口にした。
 「世界を魅了する都市・横浜を皆さまと創りあげる」と題して登壇した市長は、就任以降の3年弱で実行に移したり、準備を進めたりしている子育て支援策を列挙。小児医療費助成制度の拡充、出産費用の独自助成、妊婦健診の助成額引き上げなどの概要を紹介し、一連の施策によって子育て世代の評価が「『爆上がり』している」と表現した。
 脱炭素の話題では、市内の二酸化炭素(CO2)排出量のうち約4分の3を企業が排出していると指摘した一方、取り組みを実践できている中小企業は4割にとどまるとのデータに言及。新たな制度を創設し、CO2の排出状況を把握するための簡易診断費用を市で負担するなど、中小を積極的に支援していくと強調した。
 市長就任直後に目の当たりにした「お役所」の実態も披露。複数の会議において、上司が返答に窮してしまう場面に備え、資料を差し出すためだけに出席している部下がいたと明かし、「恥ずかしい話だが、当たり前のことができていなかった」と述べ、人件費をはじめとしたコストへの意識改革を進めているとした。
 定例会には地元の経済人ら約80人が参加した。

 

やまなか・たけはる 早稲田大学政治経済学部経済学科および同大学理工学部数学科卒業。博士(理学)。市長就任までにアメリカ国立衛生研究所(NIH/NIEHS)研究員、国立がん研究センター部長、横浜市立大学特命副学長、医学部教授などを歴任。データを活用した自治体経営を進め、「子育てしたいまち」の実現を目指す。世界気候エネルギー首長誓約(GCoM)理事、経済協力開発機構(OECD)チャンピオン・メイヤーなどに就任。