「中東の文化とイスラム教の人々」
開催日 | 2024年8月22日(木)午後1時30分~3時00分 |
会 場 | メルヴェーユ6階「ヴァランセ」 |
講 師 | 日本体育大学理事長 松浪 健四郎 氏 |
元国会議員で日本体育大学理事長の松浪健四郎氏が22日、横浜市中区の会議場メルヴェーユで講演(神奈川政経懇話会主催)し、パレスチナ自治区ガザの停戦交渉の難しさを解説した。
「中東の文化とイスラム教の人々」と題して講演。「過酷な砂漠地帯では、用水路を引いたり、泥の家を造ったりと、みんなが協力し合うため、イスラム教が定着した」と前置き。同教には、アッラー、来世など六つの信ずべきものと、断食、メッカ巡礼など実行すべき五つの義務があるが、「巡礼より聖戦が大事。来世があるので命は心配がない、との考え方をハマスが持っている」。それを知っているイスラエルは「ハマスの根を絶つため、徹底的にやらないと何年か先にまた襲撃されると信じている。先に攻撃したのはハマスだから」。そう語り、既に4万人超が犠牲となっているガザ地区の停戦交渉の先行きを心配していた。
日体大は昨年7月、カタールのタミム首長に、サッカーワールドカップ(W杯)開催などのスポーツ振興を評価し名誉博士号を授与。「その後、殿下は人質交換や1週間の停戦の労をとられた。そうした方に学位を贈れたことを誇りにしています」と語った。
松浪氏は、1975年、外務省からアフガニスタン国立カブール大学へ派遣され、3年間、体育学とレスリングを指導し、イスラム社会を体験。現在、日本アフガニスタン協会会長も務めている。
まつなみ・けんしろう 1946年 大阪府泉佐野市生まれ。70年 日体大卒。75年、日大大学院博士課程単位取得。外務省からアフガニスタン国立カブール大学へ派遣され、3年間、体育学とレスリングを指導し、研究に従事。79年、専修大専任講師、88年同大教授。96年、衆議院議員に初当選。2001年、外務大臣政務官。02年国連総会で日本政府を代表して演説。06年、文部科学副大臣。07年、内閣総理大臣特派大使。08年、自民党副幹事長。11年から現職。
日本レスリング協会顧問、日本アフガニスタン協会会長、スポーツ庁・大学スポーツ協会顧問、全国体育スポーツ系大学協議会会長。