日 時 2014年1月29日(水) 14時~15時30分
場 所 横浜情報文化センター 6階「情文ホール」
講 師 全日本柔道男子監督・東海大学講師 井上 康生 氏
一般社団法人・神奈川政経懇話会(上野孝理事長)は29日、全日本柔道男子監督で東海大講師の井上康生氏を講師に、1月の定例講演会を横浜市中区の横浜情報文化センター情文ホールで開いた。会員のほか、招待した神奈川新聞読者約80人が聴講した。
「夢への挑戦~私の柔道人生」を演題に講演。「5歳のとき、警察官だった父に柔道場へ連れて行かれ、内股で大柄な選手をバンバン投げる姿をすごいと思った」と競技を始めた原点を振り返り、「子どものころから引退するまで五輪チャンピオンという夢を持ち続けた。大きな目標を持って進むことが大事」などと述べた。
【講演要旨は次の通り】
▽現役で印象に残っている試合はシドニー五輪。優勝したときは言葉に言い表せない素晴らしい気持ちだった。なぜ勝てたか。一つは柔道界の顔といわれる人がたくさんいたおかげでプレッシャーが半分で済んだ。前年度の世界チャンピオンという自信もあったし、当時は東海大4年生で、練習をやってもすぐ回復する。とことん追い込んでやりきったと言えるくらい準備ができた。
▽代表監督の打診は突然だったが、俺がやらず誰がやるんだという情熱が上回った。初陣だった昨年の世界選手権では3階級で金メダルを獲得。東海大の教え子である高藤には「俺の金メダル第1号になってくれ」、海老沼には「世界一にふさわしい人間だ。自信を持って暴れてこい」と言って送り出した。メディアから「魔法の言葉」だと言われてありがたかったが、特別なことは言ってない。
▽私が心に秘めていて選手たちへも言っていること。それは「畳の上では野獣であり、畳を降りたら紳士である。最強かつ最高の集団」。これを究極の目標にして進めていきたい。