2016年12月講演会・交流会~シンポジウム「2017年の動向を読む」~

◆日 時                2016年12月8日(木)

◆シンポジウム      11:00 ~ 12:30

 横浜ベイシェラトンホテル&タワーズ 4階 「清流Ⅱ」

◆交流会               12:40 ~ 14:00

横浜ベイシェラトンホテル&タワーズ 4階 「清流Ⅰ」

◆パネリスト

共同通信社編集局政治部長 小渕 敏郎 氏

共同通信社編集局経済部長 東  隆行 氏

共同通信社編集局外信部長 沢井 俊光 氏

◆コーディネーター

神奈川新聞社取締役論説主幹 林  義亮 氏

 


 

 「2017年の動向を読む」をテーマに、共同通信社の沢井俊光外信部長、小渕敏郎政治部長、東隆行経済部長をパネリストに、神奈川新聞社の林義亮論説主幹がコーディネーターを務めシンポジウムを行った。トランプ次期大統領を巡る米国情勢、首脳会談目前の日ロ関係、大統領の疑惑に揺れる韓国情勢などを予想した。
 ▽沢井外信部長 トランプ氏の目的は、軍事力と経済力で不動のナンバーワンを取り戻すこと。過激派組織「イスラム国」(IS)をつぶすためシリアのアサド政権と協力、すなわちロシアと協力し、そういう意味では米ロ関係は改善するだろう。台湾の蔡英文総統との電話会談は、中国に台湾カードを見せるため。対中政策が劇的に変わるとは思えない。韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の弾劾訴追案は可決される公算が大きいが、大統領は憲法裁判所までいくと勝つと考えているようだ。国会の採決が大きなポイントになる。
 ▽小渕政治部長 安倍首相が就任前のトランプ氏と会談したのは、個人的な信頼関係を築きたいためだ。就任後はできるだけ早く首脳会談に臨み、環太平洋連携協定(TPP)や日米同盟の重要性について理解を求めるだろう。日ロ首脳会談での北方2島(歯舞、色丹島)返還はとても厳しい状況だ。4島での「共同経済活動」で交流を進め、将来の返還につなげていくという姿勢で交渉に臨むのではないか。解散・総選挙があるとすれば、年明けか来秋以降というのが大方の見方だ。
 ▽東経済部長 トランプ氏の言う経済政策(トランプノミクス)は始まっていないが、期待先行という点でアベノミクスに似ている。現在の米国の株高は根拠がなく、早い段階で終わると思う。そのきっかけは確実視されている利上げだ。保護主義の強まりも心配される。トランプ氏はメキシコに工場を移そうとした企業の方針を撤回させた。TPPの発効は絶望的といっていい。日本などにとっては米国抜きでは得るものがない。2国間交渉も難しい。国内経済の明るい材料は五輪需要の本格化だ。