日 時 2017年5月18日(木) 午後1時30分~3時
場 所 横浜ベイシェラトンホテル&タワーズ4階「浜風」
講 師 コリア・レポート編集長 ジャーナリスト 辺 真一 氏
▽先週の韓国大統領選は、日本にとって最も望ましくない結果となった。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が反日、親北、反米で、日本と足並みがそろわないのではないかという理由からだ。日韓合意見直しと慰安婦像の撤去反対には「困った」という受け止め方が大半ではなかったか。韓国も4、5年間、同じ思いをした。韓国にとって最も望ましくない安倍晋三総理が誕生した。
▽南北関係では、文大統領が太陽政策をとって3度目の首脳会談ができるかどうか、あるいは「北風政策」をとるのか注目していきたい。どちらに向かうか即断できない。北朝鮮にとって核とミサイルは韓国が相手ではなく米国だ。トランプ大統領と金正恩(キム・ジョンウン)委員長はチキンレースを行っている。
▽トランプ大統領の支持率が下がっている。かつて湾岸戦争、イラク戦争では大統領の支持率が上がった。それを考えるとトランプ大統領は北朝鮮に対し武力行使をするのではないかという思いを持っている。北朝鮮は“準”ICBM(大陸間弾道ミサイル)を手に入れ、今年後半にはICBMの発射実験を行う可能性が高い。これは8月に予定されている米韓合同軍事演習が行われるかどうかで決まるだろう。
▽北朝鮮が核を使った瞬間、北朝鮮は一巻の終わりになるから、核のボタンは押さないだろう、という根拠のない楽観論がある。しかし、米国の見方は違っていて、金委員長は絶体絶命になったら核を使うとみている。戦争が起きると38度線(軍事境界線)は消える。北朝鮮は中国を同盟国とはみていない。
ぴょん・じんいる 1947年生まれ、東京都出身。71年明治学院大学英文科卒業後、朝鮮新報社に入社。英字紙、社会部記者を経て80年に退社し、フリージャーナリストに。82年朝鮮半島専門誌「コリア・レポート」を創刊、現在に至る。拉致事件や核開発など一連の北朝鮮問題に関してテレビ、新聞、週刊誌などで精力的に発言。韓国の政局等についての解説も多く、朝鮮半島問題のスペシャリストとして評論活動を行う。海上保安庁政策アドバイザー、沖縄大学客員教授。日本外国特派員協会会員、日本ペンクラブ会員。主な著書に「大統領を殺す国 韓国」(KADOKAWA)、「『金正恩の北朝鮮』と日本」(小学館新書)「在日の涙 間違いだらけの日韓関係」(近著:飛鳥新社)。