日 時 2018年4月11日(水) 午後1時30分~3時
会 場 ホテルモントレ横浜3階「ビクトリア」
講 師 城南信用金庫元理事長・顧問 吉原 毅
城南信用金庫元理事長で現顧問の吉原毅さんが「原発ゼロで日本経済は再生する」と題して講演。小泉純一郎元首相らと「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」を組織し、同連盟会長でもある吉原さんは「世界の金融機関は、自然エネルギーに投資しない企業には融資しない流れになっている。日本の企業は出遅れている」と話した。
講演要旨は次の通り。
▽城南信用金庫は東京と神奈川に出張所を含め85の店舗を展開している。今から116年前、東京・大田区に、前身の入新井信用組合が設立した。
▽英国の空想的社会主義者ロバート・オーエンは、19歳でマンチェスター最大の製糸工場の支配人を引き受けた大変な経営者だった。オーエンは働く人を大切にする協同組合的な経営を実践。労使一体となった製品の改善につながり会社全体が繁栄した。
▽1844年に英国では、働く人が話し合って経営する初の協同組合ができた。これが協同組合運動の始まりで、ドイツでは信用組合となり、信用金庫と農協の二つのパターンができた。日本ではドイツの信用組合を手本に1900年、産業組合法が制定された。信金や農協、生協のルーツといえる。
▽私たちは原発は全くいらないと考える。推進連盟では「原発ゼロ・自然エネルギー基本法案」をまとめた。原発はコストが安い、止めるのはもったいないというが、自然エネルギーこそが日本をよくする最大のエネルギー革命のポイントだ。自然エネルギーへの設備投資は年間30兆円のGDPの増加要因になる。
よしわら・つよし 1955年東京生まれ。1973年麻布学園卒、77年慶應義塾大学経済学部卒、同年城南信用金庫入職、92年理事・企画部長、96年常務理事。懸賞金付定期預金などの新商品の開発などに従事。98年常務理事・市場本部長、その後、事務本部長、業務本部長を歴任し、2006年副理事長、10年理事長、15年相談役、17年顧問。その他、城南総合研究所長を兼務。
著書:「信用金庫の力」(岩波ブックレット)、「城南信用金庫の『脱原発』宣言」(クレヨンハウス・ブックレット)、「原発ゼロで日本経済は再生する」(角川学芸出版)、「幸せになる金融 信用金庫は社会貢献」(神奈川新聞社)