日 時 2018年7月18日(水) 午後1時30分~3時
会 場 ロイヤルホールヨコハマ5階「リビエラの間」
講 師 皇室ジャーナリスト 山 下 晋 司 氏
皇室ジャーナリストの山下晋司さんが「天皇陛下のお気持ち~退位が及ぼす影響」と題して講演。宮内庁に23年間勤務した山下さんは「陛下は『行動あってこその象徴』とお考えになってきた」と話した。
講演要旨は次の通り。
▽陛下ご自身が即位20年の記者会見(2009年11月6日)で、「象徴として望ましい天皇の在り方を求め、今日まで過ごしてきました」と述べられた。皇后さまも「(陛下の)ふさわしくあろうと努めてきたお姿に、常に象徴を感じてきました」と話された。象徴を言葉で説明するのは難しい。
▽平成になって自然災害が多かった。(被災地のお見舞いなど)陛下の実際の活動を国民が目の当たりにし、あるいはメディアを通して知り、「ありがたいこと」「日本の誇り」と思ってもらえれば、憲法に規定する日本国の象徴に合っている。
▽皇室典範は70年変わっておらず、現代にそぐわない規定もある。そういう意味では「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」は、特例法とはいえ、将来に向けた第一歩だ。新天皇が即位した来年5月以降、女性宮家や皇位継承の問題を含めて議論される。そこで良い形になることを期待している。
▽新天皇の即位に伴う新元号を公表する時期は確定していない。私は、元号は事前に公表すべきではないと考えている。陛下が次の天皇の元号を公布することは、明治以降の一世一元を踏まえればおかしい。来年5月1日の午前、新しい元号の政令書に新天皇が署名し、即日施行されることになるだろう。
やました・しんじ 1956年 大阪市生まれ 。関西大学卒。23年間、宮内庁で勤務し、2001年に退職。宮内庁では1988年~95年まで長官官房総務課で報道を担当。昭和天皇のご闘病・崩御・大喪の礼、今上陛下の即位の礼・大嘗祭、秋篠宮殿下のご結婚、皇太子殿下のご結婚などの諸行事を報道担当として経験。天皇皇后両陛下の中国ご訪問(92年)、米国ご訪問(94年)に報道担当として同行。皇太子殿下のモロッコ・英国ご訪問(91年)に報道担当として同行。宮内庁退職後は出版社役員を経て、2004年に独立。独立後は「皇室手帖」の編集長などを務めた。現在は、テレビ、週刊誌など各メディアでの解説や担当記者へのレクチャー、記者勉強会の講師、皇室関係書籍の監修などを行っている。13年11月からは、毎月1回2時間枠で放送しているBSジャパン(テレビ東京系列)「皇室の窓スペシャル」の監修(出演もあり)も務めている。