2020年7月の定例講演会/地政学と日本の大戦略:コロナで変わったこと、変わらなかったこと/キヤノングローバル戦略研究所研究主幹/宮家 邦彦 氏

演 題   地政学と日本の大戦略:コロナで変わったこと、変わらなかったこと

日 時   2020年7月21日(火)  午後1時~2時

講 師        キヤノングローバル戦略研究所研究主幹 宮家 邦彦 氏


神奈川政経懇話会は21日、7月定例講演会をユーチューブによるライブ配信で実施した。キヤノングローバル戦略研究所(CIGS)の宮家邦彦研究主幹が「地政学と日本の大戦略 コロナで変わったこと、変わらなかったこと」と題して講演。新型コロナウイルスの感染が拡大する状況について、「平時ではない。『小有事』から『中有事』に動きつつある」との認識を示した。
宮家氏は「新型コロナは破壊者で、何かを変えるわけではない。従来から始まっていた政経軍の傾向を促進させ加速させ、最悪の場合は劇症化させる」と指摘。海洋進出などを止めない中国を念頭に「(日本がアジアに進出した)1930年代と似た歴史が形を変えて繰り返されようとしている。それを新型コロナが加速させている」と話した。
トランプ米大統領の再選の可能性にも触れ、「新型コロナで経済成長も失業率の低下も帳消しになり微妙だ」としつつ、「第2波が大統領選前に収束し経済が上向けば、トランプ氏にも勝機がある」との見方を示した。
ライブ配信は北幡政経懇話会(神戸新聞社)、共同通信社きさらぎ会との共催で、東京都港区の共同通信社本社で撮影した。

 

みやけ・くにひこ 専門は外交・安全保障(特に日米安保、中国、中東)。東京大学法学部卒。1978年4月外務省入省、86年5月外務大臣秘書官、91年10月在米国大使館一等書記官、96年7月中近東第二課長、98年1月中近東第一課長、98年8月日米安全保障条約課長、2000年9月在中国大使館公使、04年1月在イラク大使館公使、04年7月中東アフリカ局参事官。05年8月外務省退職、外交政策研究所代表に就任。06年4月 立命館大学客員教授(現)、06年10月‐07年9月総理公邸連絡調整官。09年4月から現職。