演 題 新型コロナ 医療現場からの報告
日 時 2020年9月10日(木) 午後1時~2時
講 師 横須賀共済病院病院長 長堀 薫 氏
神奈川政経懇話会は10日、9月の定例講演会をユーチューブによるライブ配信で実施した。新型コロナウイルス感染症の対応病棟を備え、重症者も受け入れている横須賀共済病院の長堀薫病院長が「新型コロナ 医療現場からの報告」と題して講演した=写真。
長堀氏は感染症治療に対し地域から励ましの手紙や差し入れといったエールが届けられ、和菓子を差し入れた菓子店には病院職員らの感謝の寄せ書きをお返ししたことを紹介。一方で「幼稚園の入園式を断られた」といった職員への誹謗(ひぼう)中傷の実例を明かした。
PCR検査をめぐり、横須賀市が検体採取を一括して行う県内初の集合検査施設「横須賀PCRセンター」を4月に開設した背景も説明。「市内3病院の帰国者・接触者外来にはそれぞれ医師、看護師、検査技師がいて効率が悪かった。検査数を増やし市民に安心してもらおうと、市と市医師会が話し合って設置した」と述べた。
また、同病院がコロナ禍による非接触型社会をにらみ導入を進めるオンライン化の取り組み事例として、8月後半から実証実験を始めたオンライン面会を取り上げ、「面会できない患者のストレス、家族の不安解消の一助にしたい」とその狙いを話した。
講演会は横須賀市本町のよこすか平安閣で撮影、配信した。
ながほり・かおる 1978年横浜市立大学医学部卒。同大病院研修医。同大医学部第一解剖助手、田浦共済病院等の外科医員、山梨医大第1外科助手 医局長、米国カリフォルニア州シティオブホープ研究所遺伝生化学教室の博士号取得後研究員、山梨医大第1外科講師、横浜市大浦舟病院第2外科講師、横須賀共済病院外科部長などを経て、2014年から現職。横浜市大医学部臨床教授(現)。
横須賀共済病院 国家公務員共済組合連合会が運営する。三浦半島の中核病院に位置付けられ、2月14日から新型コロナウイルス感染者の受け入れ態勢を整え、3月下旬に受け入れを開始した。神奈川県の依頼を受け、8月からノートパソコンを使った「オンライン面会」の実証実験に取り組んでいる。