演 題 菅新政権と解散総選挙の行方
日 時 2020年9月23日(木) 午後1時~2時
講 師 政治ジャーナリスト 後藤 謙次 氏
神奈川政経懇話会は23日、9月の特別講演会をユーチューブによるライブ配信で実施した。菅義偉内閣の発足を受け、ジャーナリストの後藤謙次氏が「菅新政権と解散総選挙の行方」と題して講演=写真。早期の解散総選挙について「来年1月の通常国会冒頭は有力な選択肢」としつつ、「当面はコロナ禍対応に全力を挙げることが菅内閣の基本方針」との見方を示した。
菅内閣について後藤氏は「安倍政治を踏襲すると言っているが、巧みな人事配置で若干違う方向を目指しているようだ。旗を掲げるのではなく、仕事で早く結果を出すための政権という自負が布陣からは見える」と評した。
その上で「初当選同期や、政治の師匠の息子らも処遇しながら、ファミリーや友達よりやや広い“菅一族内閣”をつくった」と特徴を挙げた。官邸の陣容も「安倍1強を支えた経産官僚が一新され、権力構造が大きく変わった」と話した。
「新政権が抱える二つの潜在的脅威がある」とし、「総裁選に大勝し支持した議員が定員オーバー。二階派が力を持ち、不満がやがて遠心力になる」「安倍政権の負の遺産にどう対応するかは菅政権の行く末に密接にからむ」と課題を示した。
本講演会は共同通信きさらぎ会と共催し、東京都港区の第一ホテル東京で撮影、配信した。
ごとう・けんじ 1949年東京都出身。早稲田大学法学部卒業。73年共同通信社に入社、函館支局、札幌支社編集部などを経て本社政治部へ。首相官邸クラブキャップ、政治部長、論説副委員長兼編集委員、編集局長を歴任。同社退職後、2007年TBSの「NEWS23」キャスター、09~10年「総力報道!THE NEWS」アンカー。その後も報道番組でコメンテーターとして活躍。特にテレビ朝日「報道ステーション」では、16年4月~20年3月まで月―木曜のレギュラーコメンテーターを務めた。現在、「サンデーステーション」コメンテーター、共同通信社客員論説委員、白鷗大学名誉教授。著書に「ドキュメント平成政治史」(全3巻、岩波書店)、「小沢一郎50の謎を解く」(文春新書)、「竹下政権・五七六日」(行研)「日本の政治はどう動いているのか 」(共同通信社)など。週刊ダイヤモンドに政治コラム「永田町ライヴ!」を連載中。