演 題:コロナ禍とヨロズのグローバル経営
日 時:2020年9月30日(水)午後1時30分~3時
会 場:ホテルニューグランド タワー館3階「ペリー来航の間」
講 師:株式会社ヨロズ 代表取締役会長 志藤 昭彦 氏
神奈川政経懇話会は30日、9月の定例講演会を横浜市中区のホテルニューグランドで開催した。自動車サスペンション大手・ヨロズの志藤昭彦会長が「コロナ禍とヨロズのグローバル経営」と題して講演した。
志藤氏は、1999年発表の日産リバイバルプランによる系列解体で「日産の系列として拡大してきたが、会社が存続できるのか恐怖を覚えた」という。
生き残りをかけヨロズサバイバルプラン(YSP)を策定。「生産合理化や福島ヨロズ閉鎖などに取り組み、58億円の原価低減を達成した。日産との関係はパートナー。新しい顧客を探すため積極的に海外に進出した」と振り返った。
2008年のリーマンショックでは、09年度に7億円の営業赤字を予想したが、米国の2拠点の閉鎖・集約など緊急の収益改善を断行した結果、148億円の営業黒字となった。改善率は自動車業界トップクラス。ピンチをチャンスに変えた」と成果を強調した。
世界で最初に新型コロナが確認された中国・武漢の工場が操業停止に。「工場の製品の91%は他の拠点から供給が可能だった」といい、「代替生産体制を整えることで、取引先の工場を止めず、安定した生産に貢献できた」と話した。
グローバル展開にはコロナ禍の長期化や米中貿易摩擦など課題が山積するが、「海外で地産地消を進めると貿易摩擦を回避でき、代替生産も強化される。さらにグローバル展開を進める」と抱負を述べた。
ヨロズ(横浜市港北区)はサスペンション主体の自動車部品大手。国内のほかアジア、北・南米、欧州などにグローバル展開しています。志藤会長には、新型コロナウイルス感染拡大が直撃した中国・武漢工場の休業と再稼働、カルロス・ゴーン前日産会長による系列解体、リーマンショックなど、難局をどう乗り切ったかお話しいただきます。
志藤会長は1943年生まれ、日本大学経済学部卒業。68年萬自動車工業(現ヨロズ)入社、取締役生産管理部長、代表取締役専務、代表取締役社長・最高経営責任者(CEO)兼最高執行責任者(COO)などを経て、2008年代表取締役会長・CEO。日本自動車部品工業会理事(前会長)、神奈川県経済同友会副代表幹事、経団連幹事なども務めています。13年旭日小綬章受章。