2012年11月講演会「米大統領選挙を受け、これからの日米関係について」/東京財団ディレクター(政策研究)兼上席研究員・渡部 恒雄氏

日  時  2012年11月19日(月)  13時30分~15時

場  所  横浜ベイシェラトンホテル&タワーズ 4階「清流」

講  師  東京財団ディレクター(政策研究)兼上席研究員  渡部 恒雄氏

 


 

 ▽米国経済は3年連続1兆ドル超の赤字で、不景気が財政赤字を生み、オバマ氏の不人気につながった。さらに与野党の対立が経済問題を一層深刻化させた。そんな中での両党党大会を終えオバマ氏リードだった。「経済を悪くしたのはブッシュ氏で、オバマ氏ではない」というクリントン元大統領の応援が大きかった。
 ▽10月の第1回討論ではロムニー氏が大健闘した。以後、接戦が続いたが、最後はハリケーンがロムニー氏の勢いを止めた。オバマ氏の勝因は、接戦州で圧勝したためだ。ロムニー氏の最大の弱点は、金持ち、ということで、弱者を切り捨てるイメージが定着した。
 ▽ヒスパニックと妊娠中絶反対で女性を敵に回した。民主党は上院議員選挙でも女性議員が躍進し、勝利した。尖閣諸島問題は、歴史認識の問題になってくると、最後は女性問題になる。日本政府も気を付けなければならないことだ。
 ▽日米同盟には超党派の支持があり、アジア政策重視のオバマ政権が続くことには安心感がある。クリントン国務長官とアジアの中心人物のキャンベル国務次官補の後任が注目される。中国はロムニー氏よりオバマ氏を好んでおり、米中関係の安定は尖閣諸島問題を抱える日本にとって朗報だ。