2013年2月講演会「つながりによる経済成長~産業集積とグローバル化」/東京大学大学院 新領城創成科学研究科国際協力学専攻教授・戸堂 康之氏

日  時  2013年2月22日(金) 13時30分~15時00分

場  所  崎陽軒本店 5階「マンダリン」

講  師  東京大学大学院 新領城創成科学研究科国際協力学専攻教授  戸堂 康之氏

 


 

 ▽日本経済は20年間停滞しています。デフレは停滞の原因ではなく、結果です。経済成長していないからです。では、何が成長を生み出すのか。戦後の日本は制度の大転換、企業・人材の新陳代謝で高度成長を達成しました。
 ▽現在の長期的な成長の源泉は、グローバル化と産業集積です。海外、地域とのつながりです。データで見ると、輸出により生産性は向上し、雇用も増えています。国内に技術があればグローバル化しても利益は国内に残ります。しかし、日本のグローバル化は遅れており、グローバル化は人材の高度化とセットで進めることが必要です。
 ▽生産性が高いのにグローバル化していない企業が多数あり、これを臥竜(がりゅう)企業と呼んでいます。海外進出支援の政策は情報、金融、ネットワーク、リスクの四つが重要ですが、情報は提供されているのに企業に届いていません。知恵が必要です。
 ▽産業集積は特区政策が有効です。中国のシリコンバレーといわれる中関村の成功はつながり重視の政策があったからです。成長するにはグローバル化に対する意識変革、つながりの連携強化、グローバル人材の育成が必要です。行政は民間の力を活用した支援策を行うべきです。