2013年4月講演会「参院選を見据えた安倍政権の経済・財政運営の課題」/共同通信社経済部長・谷口 誠 氏

日  時  2012年4月24日(水) 13時30分~15時

場  所  新横浜プリンスホテル 3階「ファンタジア」 

講  師  共同通信社経済部長 谷口 誠氏


 

 ▽安倍政権になり株価、為替が劇的に変化した。財界人もここまでとはという結果だ。これから発表される3月期決算は円安効果で改善傾向だ。黒田東彦日銀総裁が「2年間で2倍にする」という金融緩和、減災を中心とした財政政策、成長戦略が安倍政権の三本の矢で、参院選前にはすべての政策が出そろう。
 ▽この政策をリフレ派は長期金利が下がって期待感を高め、市場が動くと、好感を持っている。しかし、日銀政策への懸念、量的緩和の副作用を指摘する声もある。資金量が増えても銀行が貸すのか、借りる者はいるのか、狂乱物価のつけが後に来て、国債が暴落、長期金利の上昇につながるという懸念だ。
 ▽物価目標2%の達成は、何を見るのかというと、GDPの成長率だ。日本は3~3%程度だと思うが、少子高齢化、財政悪化、企業活力低下でまだ程遠い。4~6月期の速報値を安倍政権も気にしている。参院選、来年の消費税アップにも影響してくる。
 ▽成長戦略は4月に第1弾が出たが、柱の一つがTPP(環太平洋連携協定)だ。年内に合意し協議がスタートする。コメなど5品目の関税がどの程度で落ち着き、猶予期間がどのくらいかが焦点だ。宿題はエネルギー政策と規制緩和で、企業活力をどう生み出していくかが政策のカギになる。