「大航海時代を切り抜けた家康と按針」
開催日 | 2024年2月5日(月)午後1時30分~3時00分 |
会 場 | メルヴェーユ 6階「ヴァランセ」 |
講 師 | 浄土寺住職 逸 見 道 郎 氏 |
神奈川政経懇話会は5日、2月定例講演会を横浜市中区の会議場「メルヴェーユ」で開いた。徳川家康に外交顧問として仕えた英国人サムライのウィリアム・アダムズ(三浦按針、1564~1620年)について、菩提(ぼだい)寺の住職、逸見道郎(へんみ・みちお)氏が講演。「三浦按針がいなければ、日本はスペインに占領されていただろう」とし、「ふるさと横須賀には、こういう人がいたことを伝えていきたい」と強調した。
「大航海時代を切り抜けた家康と按針」と題した講演では、新大陸発見以降、スペインやポルトガルがアジア、南米などでカトリックを布教するとともに侵略していた時代背景を紹介した。
当時の日本は銀の産出が世界有数で注目されていたことから、スペインが家康に何度も開港を要望。さらに日本の海図を要求してきたことから、家康は按針に相談し、「(侵略されるから)絶対に渡してはいけない」と忠告を受けた。こうした交渉の際に按針は常に正確な情報を伝え続けたという。
また、家康は洋式帆船2隻を按針に建造させた。それは日本の武威を示すことにつながり、安全保障に寄与。その報奨で按針は、横須賀の逸見に領地を与えられたという。
逸見氏は「地元の誇れる人、私たちの郷土にはこういう人がいるのだというプライドを持ち、郷土愛を育くむことができる」とし、按針の功績を今後も広めていくことを誓った。
へんみ・みちお 浄土真宗本願寺派 浄土寺(三浦按針菩提寺)第30世住職。1953年横須賀市生まれ。京都・龍谷大学卒。日本テレビにて「宗教の時間」ほかドラマの制作にたずさわる。85年から浄土寺住職。
著書に「青い目のサムライ 按針に会いに」(かまくら春秋社)、「人間漫筆」(月刊鎌倉春秋連載)、「心に響く言葉」(本願寺出版)。(公財)仏教伝道協会理事(公財)国際仏教興隆協会インド現地法人理事(社福)湘南アフタケア協会理事長。
2008年 日英修好通商条約150周年を記念し、総務省の依頼でイギリスに招かれ講演。神奈川新聞で特集ページの「按針タイムズ」を2014年4月8日~16年3月8日まで、同増刊号を4月8日に執筆。