フェリス女学院大学の現在と未来
~一研究者から学長となって
開催日 | 2025年2月13日(木)午後1時30分~3時00分 |
会 場 | メルヴェーユ6階「ヴァランセ」 |
講 師 | フェリス女学院大学学長 小檜山 ルイ 氏 |
フェリス女学院大学の小檜山ルイ学長は13日、会議場メルヴェーユ(横浜市中区)で講演(神奈川政経懇話会主催)し、4月からの学部全面改組などの改革について、「(女性が)グローバルに生きるため、自分自身がよって立つ、確かな軸足を確立できるようにするため」と強調した。
同大は従来の文学部、国際交流学部、音楽学部の3学部から、グローバル教養学部の1学部3学科9専攻へと約30年ぶりの全面改組を行う。改革の背景について、少子化や専業主婦の少数派化、生涯働く女性の増加、結婚件数の減少など「女性、男性の生き方の変容」を挙げた。
女性が生涯自立的な生活を行え、さらにグローバル化による競争に打ち勝てるよう実学を導入。例えば国際観光地ヨコハマならではの国際ビジネス・観光専攻や、増加が予想される外国人コミュニティーと日本人をつなぐため共生コミュニケーター専攻などを設けた。
さらに同大では「成長できる」「女性の経験とモノの見方が尊重される」「女性同士の絆がつくれる」「リーダーシップが養われる」ことを大切にし、新たな仕組みも構築していくという。
戦前などの女子教育は「男性に都合のいい、良妻賢母に帰着していった」とし、今後は「女性が自分の魂を自分で形成し、独立させ、自信と自尊心を持つことが必要」とした。「魂の自立を大学の大きなテーマにしていきたい」と述べた。
こひやま・るい 1980年国際基督教大学教養学部卒業、82年ミネソタ大学大学院修士課程アメリカ研究プログラム修了(M.A.)、91年国際基督教大学大学院比較文化研究科博士後期課程修了(学術博士)。83年以降、国際基督教大学教養学部助手、関東学院大学経済学部専任講師、同大助教授を経て、96年東京女子大学現代文化学部助教授に着任し2024年3月まで同大現代教養学部教授。18年から24年まで学校法人フェリス女学院理事・評議員。東京女子大学名誉教授。
専門分野は、アメリカ女性史・ジェンダー史/日米関係史。著書に『明治の「新しい女」』(勁草書房、2023年)、『帝国の福音』(東京大学出版会、2019年)などがある。