「名将が語る今年の高校野球」
開催日 | 2025年3月3日(月)午後1時30分~3時00分 |
会 場 | ロイヤルホールヨコハマ5階「リビエラ」 |
講 師 | 元横浜高校野球部監督 渡辺 元智 氏 |
高校野球で春夏5度の甲子園制覇に導いた横浜高元監督の渡辺元智さん(80)が3日、横浜市中区のロイヤルホールヨコハマで行われた講演会に登壇した。春の選抜大会に神奈川から出場する同高と「21世紀枠」の横浜清陵に向けて「二刀流の奥村頼や主将阿部が頼もしい横浜。選抜初出場の横浜清陵が楽しみだ」などと期待を寄せた。
神奈川政経懇話会の主催で、18日開幕の選抜大会を展望した。渡辺さんは前回大会覇者の健大高崎(群馬)などに注目し、「(健大高崎は)両エースがそろえば連覇も可能じゃないか。馬淵監督率いる明徳義塾や東洋大姫路の右腕阪下も強敵だ」と語った。
昨秋の明治神宮大会を制した横浜に関しては「異例の2年生主将を務めた阿部が引っ張る。ものすごく頭が良くて足もある」と太鼓判を押した。一方、初出場となる横浜清陵には「野原監督は選手時代に全国優勝も経験している。選抜に臨んでどんな戦い方ができるか。甲子園を経て夏の神奈川大会での活躍も鍵になる」と言葉を継いだ。
講演では自身の指導者人生も振り返った。広島商を下し、27年ぶり2度目の頂点に立った昨秋の神宮大会。横浜が甲子園初優勝を果たした1973年の選抜大会決勝カードと同じだったことに触れ、「本当に面白い偶然。長く生きるうちにそういう偶然に巡り合うこともあるから、選手には全力で頑張ってほしい」とエールを送った。
わたなべ・もとのり 1944年生まれ。横浜高校野球部では2年生から外野手レギュラー。1968年、同部監督に24歳の若さで就任。73年、選抜高校野球大会に初出場で初優勝。80年、全国高校野球選手権大会で優勝。94年、第1回AAAアジア野球選手権大会の日本代表監督として出場し優勝。98年、 松坂大輔らを擁し、明治神宮野球大会、甲子園連覇、国体優勝の4冠を含む史上唯一の公式戦年間無敗(44勝)達成。99年春の園遊会招待。06年、選抜高校野球大会で優勝(1970年代から2000年代までの全ての年代で全国制覇達成した唯一の人物に)。11年、横浜文化賞受賞。AAAアジア野球選手権大会で2度目の優勝(日本代表監督)。12年、甲子園春夏通算50勝達成し、2015年勇退するまで甲子園通算51勝を記録。